当会では毎年春に、会員が製作したバイオリン、チェロ、楽弓などを一堂に集め展示会を開催しています。
どなたでも自由に全作品を試奏できますので是非ご来場ください。手工弦楽器の音色の違いを実感していただけることと思います。
会場では時間を区切り、展示作品を使用したミニコンサートを行います。一流演奏家による生演奏もお楽しみください。2日間で50台程度の楽器が順番に演奏に使用されます。同じ条件で聴き比べることができますので、会員の技術向上を図る場ともなっています。
開催年 | 出品数 | 来場者数 |
---|---|---|
第1回 2003年 | 58台 | 600名 |
第2回 2004年 | 63台 | 507名 |
第3回 2005年 | 56台 | 663名 |
第4回 2006年 | 63台 | 595名 |
第5回 2007年 | 66台 | 657名 |
第6回 2008年 | 62台 | 494名 |
第7回 2009年 | 59台 | 479名 |
第8回 2010年 | 55台 | 484名 |
第9回 2011年 | 60台 | 411名 |
第10回 2012年 | 63台 | 446名 |
第11回 2013年 | 56台 | 456名 |
第12回 2014年 | 60台 | 561名 |
第13回 2015年 | 52台 | 284名 |
●展示会概要
第14回目となる2016年度春のバイオリン展示会が5/21(土)5/22(日)の二日間に渡り昨年同様の会場である池袋アカデミーホール
(東京都豊島区東池袋1-30-6)にて開催され、5/21(土)に209名、5/22(日)に165名、合計374名という昨年度の286名を大きく
超える来場者数を記録しました。
展示された楽器はバイオリン38台、ビオラ8台、チェロ7台の合計53台で、うち43台が試奏コンサートにて演奏されました。
また代官山音楽院によるコース紹介の展示も行われました。
アカデミーホールは300平方メートルの広さと高さ約3メートルの会場で、音響的にも程よいサイズでした。
地下入り口の受付から壁沿いに展示スペース、会場正面にミニコンサートのステージ、会場後方奥に会員用の休憩室が配置されました。
昨年と比較して来場者が増加したことによりいつにも増して賑やかな展示会となりバイオリン製作者と来場者との距離を
より身近に感じることができました。
●客観的になった楽器の調査
音が良く、弾きやすく、美しくかつ楽器としての実用性を備えた弦楽器とは何か、
その特徴を探るため今回は“低音”,“高音”,“音のバランス”,全体の“フォルム”と塗装などの“加工”(仕上がり)の
5つの項目を5段階評価で記入することによりそれぞれのバイオリンの特徴を客観的に調査することができました。
●試奏ミニコンサート概要
試奏コンサートは5月21日(土)のビオラの部は安定した演奏に定評のある同会員の石川暁氏に今年もお願いし、
展示会のスタートを飾りました。5月22日(日)のチェロの部はチェロ奏者の鈴木和夫氏をお招きし、
低音の魅力あふれる濃厚な試奏コンサートとなりました。またチェロの部の最後にはサプライズとして
鈴木氏自身の楽器による演奏がなされました。
バイオリンの部では国際的に高い評価を受けているソリストの川畠成道氏をお招きし、2日間に渡って当会初の伴奏なしの
バイオリンの試奏コンサートが行われました。川畠氏の繊細かつダイナミックな高い演奏技術による迫力も真に迫るものがあり、
コンサート会場が満席になるなど今までにない大きな盛り上がりを見せました。また独奏ということもあり各々の楽器の音の違いが
より一層際立ちました。
●試奏コンサート前半 ~ビオラ、バイオリンの部~
◎5月21日(土)
*ビオラの部 11:00~
ビオラ演奏者 石川暁
共通曲/選択曲
バッハ:ブーレ
中西 綾 ・・・366mm
菊田 浩 ・・・410mm
簗瀬 敬 ・・・416mm
平田 教次 ・・・413mm
上田 政博 ・・・410mm
木村 進 ・・・390mm
寺島 昌三 ・・・420mm
加藤 哲夫 ・・・407mm
*バイオリンの部
バイオリン演奏者 川畠成道
共通曲
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第二番より「シャコンヌ」
演奏曲
<①> パガニーニ:『虚ろな心(ネル・コル・ピウ)』の主題に寄る序奏と変奏曲ト長調より
<②> エルンスト:シューベルトの《魔王》の主題による大奇想曲
<③> ミルシテイン:パガニーニアーナ(ヴァイオリン独奏のための変奏曲)
<④> バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第三番ホ長調より「ガヴォット」
<⑤> バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第一番
13:00~
川原 邦也 ・・・355mm・・・<⑤>
和田 常行 ・・・355mm・・・<①>
菅沼 利夫 ・・・354mm・・・<①>
上野 八太郎 ・・・352mm・・・<①>
大内 啓 ・・・352mm・・・<①>
松江 世次 ・・・351mm・・・<③>
犬塚 興一 ・・・356mm・・・<③>
15:00~
石田 新司 ・・・354mm・・・<⑤>
平田 教次 ・・・358mm・・・<④>
菊田 浩 ・・・356mm・・・<①>
百瀬 今朝由 ・・・355mm・・・<①>
山口 大地 ・・・356mm・・・<①>
倉島 俊夫 ・・・355mm・・・<⑤>
加藤 哲夫 ・・・355mm・・・<③>
●試奏コンサート後半 ~チェロ、バイオリンの部~
◎5月22日(日)
*チェロの部 11:00~
チェロ演奏者 鈴木和夫
共通曲
バッハ:無伴奏組曲1番より「サラバンド」
演奏曲
<①> バッハ:無伴奏組曲2番より「サラバンド」
<②> バッハ:無伴奏組曲3番より「サラバンド」
<③> バッハ:無伴奏組曲4番より「サラバンド」
<④> サン・サーンス:白鳥
<⑤> シューマン:トロイメライ
田所 宏 ・・・732mm・・・<①,④>
菊地 國章 ・・・755mm・・・<③,⑤>
斉藤 範夫 ・・・750mm・・・<①,⑤>
永田 憲治 ・・・755mm・・・<②,④>(会員外出展)
斉藤 久吉 ・・・755mm・・・<③,⑤>
南 修治 ・・・753mm・・・<①,④>
※チェロの部の試奏コンサートの最後にサプライズとして演奏者の鈴木和夫氏自身の楽器による共通曲と
バッハの無伴奏組曲3番「サラバンド」、シューマンのトロイメライ の3曲が演奏されました。
*バイオリンの部
バイオリン演奏者 川畠成道
共通曲
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第二番より「シャコンヌ」
演奏曲
<①> パガニーニ:『虚ろな心(ネル・コル・ピウ)』の主題に寄る序奏と変奏曲ト長調より
<②> エルンスト:シューベルトの《魔王》の主題による大奇想曲
<③> ミルシテイン:パガニーニアーナ(ヴァイオリン独奏のための変奏曲)
<④> バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第三番ホ長調より「ガヴォット」
<⑤> バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第一番
13:00~
斉藤 久吉 ・・・355mm・・・<⑤>
佐藤 康夫 ・・・356mm・・・<①>
河村 盛介 ・・・352mm・・・<①>
木村 進 ・・・356mm・・・<①>
星 周二 ・・・357mm・・・<④>
石川 暁 ・・・355mm・・・<③>
柳 和宏 ・・・356mm・・・<③>
15:00~
増毛 順治 ・・・355mm・・・<⑤>
中西 綾 ・・・355mm・・・<①>
菊地 國章 ・・・355mm・・・<①>
前島 隆生 ・・・356mm・・・<①>
上田 政博 ・・・355mm・・・<④>
簗瀬 敬 ・・・356mm・・・<③>
清塚 房男 ・・・356mm・・・<③>
※演奏された楽器の他に森陽一氏のストラディバリモデル359mmを始めとして計10台のバイオリンが展示されました